母娘関係やSNSとの付き合い方、いじめ、ダイエット…女の子を育てるとき、どのように接するべきか、迷う場面も多いのではないでしょうか。5歳の女の子を育てるエッセイストの犬山紙子さんは「娘を女性であることの痛みからどうにか守りたい」と強く考えたそう。そこで今回は、犬山さんが女の子を育てるときの“どうしよう”を専門家と考えた著書『女の子に生まれたこと、後悔してほしくないから』から、臨床心理士のみたらし加奈さんとの対談を一部お届けします。
子どもの摂食障害と、保護者の関わり方
犬山 摂食障害は「もっとも死亡率が高い精神疾患」だとも言われています。厚生労働省のサイトによると、「若い女性では100人に1〜3人くらいの割合で見られる」と書かれており、かなり多くの少女たちが苦しんでいるのです。
また、摂食障害には主に、
・極端な食事制限と著しいやせを示す「神経性やせ症」
・むちゃ食いと体重増加を防ぐための代償行動(嘔吐や下剤乱用など)を繰り返す「神経性過食症」
の2つのタイプに大別されます。保護者はそのとき、どんな対応をしたらいいのでしょうか。
みたらし 摂食障害とは食べることに関する行動の異常によって、心と体の両方に影響が及ぶ病気の総称です。そのなかには、必要な量を食べられなかったり、食べたものを意図的に吐いてしまったり、自分をコントロールできずに食べ過ぎてしまうことなどが含まれます。10~20代の女性に多いとされますが、誰でもなり得る病気です。
世間の「痩せ信仰」や「シンデレラ体重」といった言葉もそうですが、家族や身近な人の何気ないひと言が、摂食障害へ向かうきっかけとなる子もいます。
摂食障害の多くは「ボディイメージのゆがみ」から引き起こされることが多く、そのゆがみを作るきっかけになるのは、SNSでの情報や周りの人の価値観です。なので、周囲の大人が特定のボディイメージを押しつけすぎないことが必要だと思います。