いじめが起こりやすい年齢と、いじめの内容
犬山 いじめが起こりやすい子どもの年齢はあるのでしょうか。そして年齢によっていじめの内容にはどんな変化があるのでしょうか。
また、どんな環境だといじめが起こりにくくなるのかも知っておきたいです。
荻上 小学校の中高学年ぐらいを1つのピークとしていじめが存在します。先生側の認知件数だと、中学校1、2年生がピークになりますが、体験の報告調査ですと、もう少し下の学年がピークとなります。
また、中学生のほうがやや長期化しやすい傾向があります。いずれにしても、小学生から中学生の間はいじめ対策を強化することが必要かと思います。
日本では暴力系のいじめより言語系・関係系のいじめのシェア率が高いのですが、それでも小学校のときには、暴力系のいじめが一定の割合を占めます。
それが、中学校になると減少します。その代わりに陰口とかあだ名とか、ネットを使ったいじめの割合が増える。中学生になるとスマホを手に入れるので、そうしたいじめを経験する機会が増えるということですね。
どの年齢でも、メディア経由や友人経由などで入手した語彙で、他者を攻撃するということはありますが、そのレパートリーには、性差別や人種差別なども含まれます。一般的には中学2年生をピークにいじめは減少するはずなのですが、たとえば性的マイノリティの人へのいじめは中学3年生にピークを迎えるというデータもあります。