(写真提供:Photo AC)
母娘関係やSNSとの付き合い方、いじめ、ダイエット…女の子を育てるとき、どのように接するべきか、迷う場面も多いのではないでしょうか。5歳の女の子を育てるエッセイストの犬山紙子さんは「娘を女性であることの痛みからどうにか守りたい」と強く考えたそう。そこで今回は、犬山さんが女の子を育てるときの“どうしよう”を専門家と考えた著書『女の子に生まれたこと、後悔してほしくないから』から、NPO法人「ストップいじめ!ナビ」代表理事であり、いじめを受けた当事者でもある荻上チキさんとの対談を一部お届けします。

いじめの前提知識 ハイリスクな子どもはいる

犬山 いじめの被害はもちろん、加害も当然してほしくないと思っています。また、いじめには男女差はあるのでしょうか。

荻上 国立教育政策研究所の調査では、小学校から中学校の間に、8~9割の児童・生徒が、いじめをする側にも、される側にも回ります。

ここでいう「いじめ」とは、殴る、陰口を言う、仲間はずれをするといった、個別の行為の集積を指します。それが持続的なのかどうかは差し置いて、一定の期間内に学校のメンバーなどからされた経験を含んでいます。相当広い定義ですが、加害・被害はどちらも、誰もが経験しうるということになります。

学校に入学させるとき、「自分の子どもがいじめられたらどうしよう」と心配する人は多いと思います。実は同程度に、「自分の子どもがいじめをしたらどうしよう」という予測や準備も必要となるのです。