身内だけで頑張りすぎない
ちなみに、本人は困っていなくとも、例えば声をあげてしまったり、認知症があきらかにすすんできて「お金を取られた」とか「この人は敵だ」とかと言い出したり……周囲が困ることもあります。
残念ながら、そういうときでも、無理やり病院につれていくことは実はなかなか難しかったりします。眠っている間に運んでも、結局、治療が拒否されれば病院としては何も出来ません。自分を傷つけるようなことをする場合や命に係わる場合は救急車を頼るのもやむなしですが、救急車も本人が「ノー」というと使えず、治療もできないのです。
そういうときは、うまく警察に来てもらって話をきいてもらい、病院に繋ぐという方法もあります。何かしらの専門家が入ることで納得してもらったり、第三者からいわれることで従ったりすることはわりとあります。また(医者や警察などの専門家以外にも)地域の保健士さんや仲良くしている友達、ご近所さんなど、その方に関わる人がいれば上手く入ってもらうことも大事です。
本当に困ったときに、お身内だけでどうにかしようと頑張りすぎないようにする――このことをしっかり覚えておいてください。またいざというときに頼れる人を探すためにも、早めに周辺の付き合いについても本人から聞いておくとよいでしょう。