所得税がかかるボーダーラインを表す「年収103万円の壁」という言葉に注目が集まっています。共働き夫婦にとって避けては通れない<お金の悩み>について、生活経済ジャーナリストの柏木理佳さんは「夫婦生活はお金がかかる。だからこそ『話し合い』や『見える化』しないと、共働きでもお金は貯まらない」と指摘します。そこで今回は、柏木さんの著書『共働きなのに、お金が全然、貯まりません!』から「年収の壁」について解説します。
損しないように働く知恵を身につけましょう
「働く時間を増やすべきか」という悩み
子供が小さい時、誰もが悩むのが「働く時間を増やすべきか」という悩みです。
家にずっといるとストレスが溜まりますし、支出が増えているなら、その分だけでも稼いだほうがいいでしょう。
でも問題は、働いても、その分がちゃんと入ってくるのか、税金や助成金などを考えると、かえって損をすることもあります。
場合によっては、損をしないように仕事を休むわけですが、企業としては、例えば師走の忙しい時に、パートに休まれては困ります。
そのため厚生労働省は、「年収の壁・支援強化パッケージ」として、130万円、106万円の年収の壁によりパートの社会保険料を多く払わなければならない企業に対して、一人あたり10万〜50万円の助成金を出しています。
育児や介護などで、パート勤務があまりできない時期もあるかもしれませんが、勤務時間を計算することは大事です。
区立幼稚園などでは、所得に応じて助成金が出ることが多いので、勤務時間を把握して収入を計算できるようにしておくのです。中途半端にパートの時間を増やすと、配偶者控除や配偶者特別控除が受けられず、かえって損をします。