「MISIAさんの歌の後、観客は感動のあまり一瞬静まりました。」(中村さん)

デビューした時の歓声が忘れられない

中村 デビューして21年。4月には平成最後の日に武道館でライブを行いました。

MISIA 私は昭和生まれですけれども、平成になってからソウルミュージックに出会い、それから歌手になりたいと思って歌を習い、デビューしました。いろんな楽曲を歌わせていただいて、だから私にとって平成は音楽のすべてが詰まっている時代。

武道館は海外のアーティストが最初にライブを行う地だったりもしますが、国際交流や平和を目的に建てられたその場所で平成の最後に歌い、平和への想いと音楽の歴史を感じることができました。

中村 ライブでは毎回、ファンに感謝のメッセージを送られていますが、その想いを教えてもらえますか。

MISIA 初めてステージに立った時に、びっくりしたんですね、あまりにも幸せで。

中村 幸せ? それはいつ頃ですか。

MISIA デビューが決まった1998年3月3日、お雛様の日です。クラブでデビューしたその時の歓声とか盛り上がりがもう忘れられなくて。何かいっぱい体の中に入ってくるような感覚があって、これは何だっていうのを教えてもらった。私、ライブで成長していったような気がするんです。

同時にやっぱりファンの人、そして長年一緒にやってくれた仲間がいたのは幸せなこと。どんなに成功したとしても、独りぼっちって寂しいですよね(笑)。私の音楽の中にはいろんな人の人生や命を懸けたものが詰まっている。そんな想いが歌手活動にがっているような気がします。

中村 なるほど。

MISIA 歌とかエンターテインメントって夢の世界のイメージですけど、私はすごくリアルな世界だと思っていて。もちろんストーリーはであっても、そこに込められているメッセージは本当じゃないといけない。本当の気持ちで歌っていない歌は、何か起こった時、もうびっくりするぐらい嘘が漏れる。

東日本大震災が起こった時、自分が歌っていて思ったんです。本当の気持ちで歌ってきた歌はちゃんと伝わる。あなたのことを思っているということが伝わるんだと確信しました。

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