2024年11月10日、大相撲九州場所が福岡国際センターで初日を迎えた。『婦人公論』愛読者で相撲をこよなく愛する「しろぼしマーサ」が今場所もテレビ観戦記を綴ります。

前回「大相撲九州場所初日、横綱不在も、15日間のチケット完売!ちょんまげの新大関・大の里は土俵際で逆転勝利。3大関は白星発進だが…」はこちら

琴櫻、豊昇龍、隆の勝が強みを発揮

横綱・照ノ富士休場の大相撲九州場所は、11日目まで、1敗をキープした大関の琴櫻と豊昇龍、前頭6枚目・隆の勝が、それぞれの強みを発揮して盛り上げている。

初優勝を目指す琴櫻、2回目の優勝を狙う豊昇龍、今年の名古屋場所で照ノ富士と優勝決定戦をして敗れた隆の勝、九州場所で賜杯を手にするのは…と言いたいところだが、まだ4日あり、何が起きるかわからない。

2敗はおらず、3敗は平幕の若隆景、阿炎、豪ノ山、阿武剋、尊富士の5人。

先場所優勝して大関になり、連覇と高速で横綱になる期待がもたれている大の里は、11日目に隆の勝に敗れて4敗となった。

11日目の正面解説の琴風さん(元大関・琴風)は、「僕から見ると(琴櫻は)優しくて、人間的に良い人なのですが、土俵ではそうなっちゃいけない。『鬼になってくれ』と言っています。今場所は鬼になっています」と話していた。

向正面解説の立浪親方(元小結・旭豊)は、豊昇龍について「負けない相撲を取れるようになってきた」と言っていた。

大の里は、先場所、対戦相手を前進力で土俵から追い出していたが、11日目はこれまで以上に「俺には激突しかないのだ!」と言わんばかりに早めに仕切り、隆の勝の警戒は増大したはずだ。結果は隆の勝が左に変化し、大の里は負けた。相手に悟られないようにするポーカーフェイスというのがあるが、大の里はポーカー仕切りができないだろうか。