失敗しても子どもを承認して、自信を育てる

失敗を怖がらないためには、大人の姿勢が非常に重要です。

たとえば、必死に考えた結果、解けない問題があったことに怒ったとしたら、子どもは萎縮します。この場合、マイナスばかりでプラスはありません。

大人が叱ったところで、問題が解けるようになるわけではないのです。

むしろ怒られることで失敗を恐れて思考が働かなくなり、パフォーマンスが低くなる可能性があります。

できなかったことを叱るのではなく、「ここが解けなかったんだね。次回はどうしようか?」といった失敗を次にいかす対話をするのがベストです。

子どもにはどんどん失敗をさせてあげたほうがいいのですが、失敗ばかりだと自信が育まれずに自己肯定感が低くなってしまうという側面もあります。

そういったときは、点数という結果には表れていなかったとしても、「ここまではできるようになったんだね」「あと一歩だったね」と過程を認めたり、子どもの成長を垂直方向で承認したりすることがポイントになります。

どんな子どもでも、親が「自分ががんばっていることをわかってくれている」と思うと、安心感を抱いて、また挑戦しようと思うことができるのです。

※本稿は、『10万人以上を指導した中学受験塾 SAPIXだから知っている算数のできる子が家でやっていること』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。


10万人以上を指導した中学受験塾 SAPIXだから知っている算数のできる子が家でやっていること』(著:佐藤智/ディスカヴァー・トゥエンティワン)

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