「うちの子、とくに算数が苦手で……」「私自身、算数が苦手だから、子どもも嫌いになってしまうのでは……」など、親子ともに算数への苦手意識を持っている家庭もあるのではないでしょうか。教育ライターの佐藤智さんは、このような悩みの声を受けて、難関中学受験で高い合格実績を誇る塾「SAPIX小学部」で算数を担当する先生を取材しました。今回は、佐藤さんの著書『10万人以上を指導した中学受験塾 SAPIXだから知っている算数のできる子が家でやっていること』から、SAPIX流・算数を嫌いにさせないメソッドを一部ご紹介します。
適切に子どもを困らせる
お世話のしすぎが、子どもの成長機会を奪う
子どもが忘れ物をしそうなとき、どんなふうに声をかけているでしょうか。
失敗をしないように、「あれは入れたの?」「ちゃんと確認した?」などと声をかけていないでしょうか。
「子どもが困らないようにしてあげたい」
「先生に怒られないようにしてあげたい」
そんな親心があるのは、当然のことだと思います。
しかし、大人がどんどん先回りをしていくと、自分で「忘れ物をしないためにはどうしたらいいか」について考えなくなってしまいます。つまり、忘れ物が自分ごとになっていないので、忘れ物を防ごうという意志が働かないのです。