「引き算」で見える真の寄り添い

「寄り添う」と「甘やかし」を区別するためには、大人の「決めつけ」を引き算することがおすすめです。

どのような決めつけかというと、「甘やかし」の場合は「どうせこれをダメと言ったらめんどくさいことになる(子どもが泣いて怒る)」という気持ちが先入観としてある場合が考えられます。

(写真提供:Photo AC)

または、「物でつれば子どもは簡単に動く」と考えてしまうことがありますが、それは実は大人の決めつけかもしれません。

たとえば、夕食の時間に子どもが「今から絵の具で遊びたい」と言ったとき、以下のような違いが生じます。

【甘やかす】
「(ご飯の時間なのに、どうしよう……でも、どうせダメって言ったらもっと大変だ)うーん、本当はご飯だけど、じゃあ今やる?」

【寄り添う】
「絵の具で遊びたいんだね! でも今はご飯の時間だから、食べ終わったらやろうか」

この例では、「寄り添う」方は、子どもの気持ちを受け入れつつ、大切なルールを守るための制限も示しています。一方、甘やかす方は、子どもの要求にそのまま応じてしまい、制限を設けていない状態です。