毎日がワクワクの連続「庭師こそ僕の天職!」
1年働いた結果、これぞ“天職”だと思いました。庭師として、毎日違う日本庭園に行ける。それは個人のお宅だったりお寺だったりするのですが、そういう環境にいること自体が、もうワクワク状態です。それまでの仕事で、こんなにやりがいを感じたことはありませんでした。
本当はアルバイトをした造園所で修業したかったんですけど、兄弟子がいて、もうひとり弟子を取る余裕がない。そこで、県内で古くから造園業者の多い西尾市に目をつけ、加藤造園という造園所で働くことになりました。古くからの植木の産地で、和風な建築や庭園が多く残っている場所。庭園の手入れや管理の技術をじっくり学びました。
ただ、西尾市には庭を一から造る仕事がなかなかありません。僕は設計する技術も学びたかった。そこで親方に相談し、5年間の修業を終え、東京に出てきたんです。愛知にいた頃とは違い、日本庭園にはそれほど関われなくなったんですけど、新しく庭を造る機会はふんだんにあります。
昔は建物の周りの工事は、玄関前のアプローチなどを担当する外構業者と、木を整えたり、石を据えたりする庭師とに領分が分かれていました。でも今は、その境目がなくなりつつあって、外構業者が樹を植えたり、庭師がレンガを積んだりするようになっています。樹のことも、セメントやレンガのことも勉強しなければならず、大変です。