「皆さん日本庭園は手入れが難しいとおっしゃるんですが、工夫さえすればそれほど大変ではないですよ」

目標は「松の剪定」ができる一人前の庭師

家族の反応ですか? 「帰化します」と言った時は、さすがに心配していましたね。「もし日本がどこかの国と戦争したら、あなたは日本人として戦わなければならないんだよ。そこまで考えたの?」と真剣に問われました。

でも僕が16の頃からずっと「日本、日本」としか言っていなかったので、親は諦めていたみたい。スウェーデンは自由主義の国なので、子どもが熱心だと、親は背中を押してくれるんですよ。

僕はまだ一人前の庭師とはとても言えません。庭師の世界では、松の剪定ができるようになったら一人前だという謂われはあるのですが、そのレベルに自分が達していないのは間違いない。まあ、50歳になっても、そう言っているのかもしれないけれど。(笑)

今は好きなことを仕事にしているので、毎日が楽しいです。不満なのは日本庭園が少なくなっていることだけ。それで、愚痴を書くワケじゃないんですが、日本庭園のよさを世の中に訴えたくて、ツイッターで発信し始めたんです。

皆さん日本庭園は手入れが難しいとおっしゃるんですが、工夫さえすればそれほど大変ではないですよ。例えば、植物はあまり植えずに石を主に使うとか、ドライガーデンにしてもいい。スペースの関係上難しいなら、坪庭だっていい。多くの人に日本庭園に興味を持ってもらえるよう、微力ながらお手伝いしたいと思っています。

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16歳で初来日し、19歳で再来日して23歳で庭師になった村雨さんは現在33歳。「村雨式キャンプ」や「村雨式調理」など、個性を生かした番組でも活躍中。朝ドラでは敵国の将校として、安子とどのようにかかわっていくのか、目が離せません。