年齢を重ねるということ

なぜなら、年齢を重ねるということは、それだけ長く生きているという意味であり、長く生きた分だけ経験の数やそれにともなう知識や技術の量も、ゆたかに積み重なっているという期待がもてるからです。

「これを身につけよう」と意識して吸収した知識・技術だけでなく、無意識に行動が向かって、いつの間にかたまっていったものもたくさんあるでしょう。

『50歳からはこんなふうに』(著:松浦弥太郎/ディスカヴァー・トゥエンティワン)

自分の中にたまっているものの量――「埋蔵量」を意識してみましょう。

たまっているものは何なのか。たとえば、自分という空間の中に、いくつものガラスの瓶が並んでいるとしたら、中身がいちばん多い瓶のラベルには何が書いてあるのか。

そのラベルの文字を発見することが、「自分にしかできない何か」との出会い(もう出会っていたけれど、真正面から出会い直すという感覚)となり、そこから先の人生を支えてくれるものになるのでしょう。

「年齢を重ねるほどに、何かしらの埋蔵量は増える」という気づきは、僕にとって大きな希望となりました。