やめられない 止まらないタワマン建設

筆者が特に問題視しているのは、個々の市町村ごとの視点で再開発が進められるため、都市圏全体でみた場合、需要を超えて過剰に住戸を供給し続けてしまう現状です。

現行の都市計画には、都市圏全体を見渡したうえで、供給する住戸数のボリュームを調整するという仕組みがありません。このためこうした事態に歯止めをかけることができていないのです。

2000年以降の地方分権化の流れの中で、都市計画に関わるほとんどの権限は市町村が持つようになりました。政令指定都市は都道府県とほぼ同様の権限を持っています。こうした地方分権によって各基礎自治体の創意工夫を生かした街づくりが進められることは地域の実情に応じた都市政策を行っていくうえで非常に重要です。

ただ、各市町村は少しでも自分たちの街に人口や開発を呼び込みたいために、同じようなタワーマンションの建設が続く事態から脱却できないという事態に陥っています。