捨てる?捨てない?(写真提供:Photo AC)
インテリアコーディネーターの経験と心理カウンセラーの知識を元に、「片づけ心理カウンセラー」として4000人以上の方の悩みに答えてきたおむらちもさん。実は、自身も汚部屋出身だったそうで……。その経験から導き出した、無理なくスッキリした部屋が続く意外な秘訣とは?おむらちもさんの著書『不思議なくらい部屋が片づく魔法の言葉』より一部を抜粋して紹介します。

大切な物は捨てなくていい

魔法の言葉:私は本当はどうしたい?

「私は物が捨てられないダメな人なんです!」そんな風に言われる方がよくいらっしゃいます。

「捨てるのが大切だ」という考え方は、ここ20年〜30年くらいで浸透した価値観と言えるかもしれません。

戦後の物がない時代から、高度経済成長で様々な物が手に入る時代になり、人々は、物があることが豊かだということを痛感し、家の中の物はどんどん増えていきました。

物不足の時代の反動で昭和に生きた人々は、たくさんの物を所有するのが幸せだと感じていたんですよね。

そこから、経済が安定し、物が当たり前に手に入れられる時代に突入すると、人々は物をたくさん持つことには幸せを感じなくなりました。

たくさんの物を所有するよりも、自分にとって大切な物を厳選して持つのが豊かだと言われる時代になりました。

そのように、時代によって物への認識は変わり、「豊かさ」の定義も全く変わってきたんですよね。今の時代に生きる私達は、肌感覚で「今の豊かさの価値観」を感じ取っています。