厚生労働省が発表した「令和元年版 労働経済の分析」によると、働きやすさ向上のために重要と考えている項目について、回答者の中では「職場の人間関係やコミュニケーションの円滑化」が最も多い結果となりました。仕事と育児、もしくは仕事と介護の両立支援なども重要視される中、職場の人間関係で悩む人は年齢問わず多いようです。中嶋智子さん(仮名・福岡県・無職・73歳)は、損害保険会社に勤めていた頃、お金にセコい上司がいたそうで――
ゴマすり課長と猫かぶりの女性がやってきた
私が30代後半から勤めた九州の損害保険会社は、和気あいあいとした雰囲気で、楽しく働いていた。しかし20年ほど経った頃、吸収合併されることに。人事異動により、課長や主任も総入れ替えとなり、穏やかな雰囲気はガラリと変わった。
新たに赴任した課長は、この部署の業務に詳しくなく、私たちに注意することといえば「スカートを着用しなさい」とか、「丈が短い」など仕事以外のことばかり。しかも彼の上司が来ると「皆さん立って挨拶しなさい」とゴマすりに勤しむ。
この情けない課長にも嫌気がさしていたが、それ以上に問題なのは新しくやってきたAさんであった。
私より2歳ほど年上の彼女は、最初は猫をかぶっていたものの、半年も経たぬうちに本性をむき出しにした。私たちスタッフの何倍もの給料をもらっているにもかかわらず、面倒な仕事はすべて部下に丸投げする。
課長に次ぐ役職であるという権力を振りかざし、やりたい放題。それでも彼女に言わせれば「前は次長待遇だったのに! 給与も大幅にダウンしてがっかり」とのことらしい。