京都御所は天皇の仮住まいだった?

続いて向かったのは京都御所。

京都御所は奈良の平城京から長岡京を経て、桓武天皇が794年に平安京へ都を移したのがその始まりとされています。

現在の京都御所は、1331年に光厳天皇がここで即位して以降、1869年に明治天皇が東京に移るまでの約半世紀、天皇の住まいとして使用されました。この間、幾度となく火災に遭い、現在の建物の多くは1855年に再建されたものとのこと。

なお、火災などで御所を再建することになると、その間、天皇は貴族の邸宅で仮住まいをすることになります。それを「里内裏(さとだいり)」と呼びました。

ですので先生いわく、現在の京都御所も、実は「土御門東洞院殿(つちみかどひがしのとういんどの)」という里内裏がもとになっているそう。”土御門”は道長邸として『光る君へ』にもたびたび登場しましたが、つまり道長の屋敷がこの地にあった、ということになります。

一方、もともとの平安宮内裏は天徳4年(960)以降たびたび罹災し、嘉禄3年(1227)の焼亡後からは再建されなかったようです。

修学旅行などを通じて何度か訪れたことがありましたが、このあまりに立派な京都御所が、もともと仮住まいだったとは…。