「光源氏」と関係の深い清凉寺へ

訪れた清涼寺は、「嵯峨の釈迦堂」の名前で親しまれている浄土宗知恩院派の古刹です。本尊・釈迦如来は五臓六腑をもつ“生身の仏”であり、国宝。

清凉寺(写真:婦人公論.jp編集部)

そして寺の起源となる山荘を造営した源融(みなもとのとおる)は「光源氏のモデル」と言われているそうです。『源氏物語』のなかで光源氏が建立した「嵯峨の御堂」の位置が、清凉寺境内の東に位置する「阿弥陀堂」の場所としっかり一致するのがその理由とも。

清凉寺の阿弥陀堂(写真:婦人公論.jp編集部)

源融がモデルとも言われる阿弥陀三尊像は、秋(10・11月)と春(4・5月)のみ特別公開されるということで、その尊顔を拝むことはかないませんでしたが、紅葉が残る本堂と庫裏をつなぐ渡り廊下などを散策しながら、ここでも『源氏物語』の世界にどっぷりと浸ることができました。