気分はすっかり「公卿」

そうした背景を知ったうえで到着した京都御所。手荷物検査を済ませたうえで、さっそく参観へ。

貴族が使った玄関「御車寄」や、身分によって使える部屋が決まっていたという「諸大夫の間」などを見学しながら、到着したのは正殿「紫宸殿(ししんでん)」。

手前が承明門。その先に見えるのが「紫宸殿」(写真:婦人公論.jp編集部)

「紫宸殿」は平安時代からの由緒をもつ正殿で、宮廷の重要な儀式が行われた場所。あの五箇条の御誓文もここで発布されたそう。「紫宸殿」の前には美しい白砂の庭「南庭」が広がり、正殿の格調の高さをより引き立てています。

ちなみに先生いわく、この「南庭」で血を流すのは”ご法度”。万が一、南庭で突然発作を起こして息を引き取るようなことがあっても、とにかく庭の外まで引っ張り出し、外に出てから初めて亡くなったことを確認するハズ、とおっしゃっていました。

それから天皇が日常の住まいとして使った「清涼殿」へ。ここで一条天皇は最愛の定子との日々を過ごし、喪失感の中で『源氏物語』に出会ったのか…などとシミジミ。

続いて回遊式庭園「御池庭」、和歌の会などに使われた「御学問所」などを見学しているうちに、すっかり<公卿>の気分に。

「黒光る君」実資様はいずこ…(写真:婦人公論.jp編集部)

なお京都御所は、事前申し込み不要、入場無料で通年公開を実施していますので(2024年12月現在)、公式サイトをチェックの上で是非足を運んでみてください。