「平安時代の大河なんて、誰が観るの?!」

最終回のパブリックビューイングが京都で開かれたのは、この地がドラマの舞台だったからにほかなりません。京都に住む私たちも、特別な想いで、1年間ドラマを見守ってきたように思います。

では、なぜ、平安時代の京都を描く大河ドラマが生まれたのでしょうか。

中島さんによると、大河ドラマの定番である戦国や幕末ものではなく、女性が主人公の美しい平安絵巻をやれないか、との思いから、テーマを模索。『源氏物語』も検討したものの、「やっぱり紫式部でいこう」という結論に落ち着いたそうです。

そこで大石さんに脚本を依頼したのですが、紫式部が主人公だと聞いた大石さんの反応は……。

「最初にお話をいただいたときは、『平安時代なんて誰が観るの?』と思ったんです(笑)。でも、中島さんは、私にオファーしてくださる1年くらい前から(紫式部について)勉強をされていて、『これは絶対にいける!』と確信しておられた。だから中島さんについていこうという気になったんです。とはいえ、イチかバチかの賭けですし、正直、ほんとうに不安でした」