映画は私たち人類の歴史
それにしても「ある出来事で奴隷に身を落とす→お約束のガレー船の漕ぎ手から剣闘士や、戦車の御者になる→成功して権力者と対峙する→コロッセオで猛獣と闘う、あるいは火炙りか磔になる」などというローマの基本ストーリーは、1950年代に確立していたんですね。テーマを神の救いとするか、自助努力で権力と闘う事に重きを置くかで、結末が多少違ったりするものの、戦闘シーンの迫力、史実の検証には余念がない。そしてどの映画でも驚かされるのは、「人間とはここまで怖ろしいことを考えられるのか」と息を飲むほどの、ローマの退廃っぷり。
又、特に今回の『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』と『スパルタカス』に顕著ですか、権力への怒りを高め、一人の英雄に信頼を寄せて戦う民衆の姿には、痺れずにいられません。
スパルタカスは磔となり、自由への希望を次世代に託しました。その姿はマキシマスの死に重なりますし、その息子が成長して権力への戦いに挑む物語と考えれば、この『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』は、60年前の『スパルタカス』の続編と捉えることもできるかもしれません。
そんな風に「何世代にも渡る思い」を感じるとき、私たちは映画に人生の奥深さをみるのでしょう。映画は本質的に、私たち人類の歴史そのもの「人間は所詮変わらない」けれど、「変わらないから愛しい」と思いを深くせずにいられませんでした。
なので2025年の始まりは、日本の歴史と日本精神に思いを馳せる『SHOGUN 将軍』と、ローマ帝国歴史関連作品祭りとして、『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』、『ベン・ハー』、『スパルタカス』、『クオ・ヴァディス』等、ローマ関連映画祭で決まり!
ぜひ共一級の作品尽くしで楽しんでください!