日本のメディア産業、ポップカルチャーの礎を築き、時にお上に目を付けられても面白さを追求し続けた人物“蔦重”こと蔦屋重三郎の生涯を描く大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK総合、日曜午後8時ほか)。ドラマが展開していく中、江戸時代の暮らしや社会について、あらためて関心が集まっています。一方、歴史研究者で東大史料編纂所教授・本郷和人先生がドラマをもとに深く解説するのが本連載。今回は「江戸時代」について。この連載を読めばドラマがさらに楽しくなること間違いなし!
江戸時代とはどんな時代だった?
新しい大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』が始まりました。
主人公は蔦重こと、蔦屋重三郎。史実から言えば、彼は江戸時代中期から後期に欠けて活躍していますが、そもそもどんな人物だったのか?
一言で言えば今でいう「スーパー編集者」。文化の「クリエーター」って感じの人と捉えれば良いでしょう。
一方で、ぼくは中世史の研究者です。その中世と比べてみて、江戸時代はどういう時代だったのでしょうか。『べらぼう』についての感想記事、初回はそれについて記したいと思います。