関節痛が起きる主な原因

ところで、なぜ、あなたの関節は「痛む」ようになってしまったのかわかりますか? 関節痛が起きる原因は、関節によっても違いがあるので単純には説明できないのですが、わかりやすく言えば、主に次の2つです。

関節痛が起きる主な原因
・軟骨のすり減り
・筋肉の衰え

『ひざ痛と股関節痛 自力でできるリセット法』(著:歌島大輔/アスコム)

軟骨というのは骨の表面に張り付いている組織で、「軟骨細胞」という細胞で形成されています。軟骨細胞は70〜80%が水分で、その他はコラーゲンなどでできています。

細胞なので、常に入れ替わる「新陳代謝(しんちんたいしゃ)」を繰り返しています。けれども歳をとると軟骨細胞の新陳代謝は衰え、その結果、軟骨がすり減っていくのです

<『ひざ痛と股関節痛 自力でできるリセット法』より>

軟骨には神経が通っていないので、軟骨がすり減っただけでは痛みを感じません。しかし、軟骨がすり減ることで、少しずつ関節の構造は変わっていきます。そして、その関節の「周囲の組織」が軟骨や関節を守ろうとするのです。

周囲の組織の代表格が「滑膜(かつまく)」です。滑膜は関節の中に栄養を届けているのですが、残念ながらすり減った軟骨を修復するまでにはなりません。滑膜は頑張り続けることになり、その結果、「滑膜炎(かつまくえん)」という炎症状態が続いてしまいます。

軟骨のすり減りが進むと、関節の痛みがわずかずつ増えると同時に、滑膜炎が起きているわけです(*1)。

他にも複合的な要因はあるのですが、簡単に言えば、軟骨がすり減った結果として、関節の状態に変化が起こって痛みが出るのだと理解しておいてください。