軟骨の衰えがなかなか防げない理由

なぜ、軟骨の衰えはなかなか防げず、回復させることができないのでしょうか。それは、軟骨に神経が走っていないことと関連します。神経が走っていないので、軟骨が少し傷んだぐらいでは、痛みを自覚できません。

痛みは体を守るシグナルでもあるのですが、そのシグナルが働きにくいのです。神経どころか血管も走っていないので、軟骨を修復する栄養も届きにくい構造になっていると言えるでしょう。

一方で、「筋肉の衰え」は自分で防ぐことができます。たとえ筋肉の量が減ってしまった人でも、動かせばその量を回復させることができます。

いわゆる「筋力トレーニング(筋トレ)」をすれば、筋肉の量を徐々に増やしていくことはできるのです。筋肉の量が増えれば、関節が守られて痛みが消えていきます。

【参考文献】
*1) Bacon, K., LaValley, M. P., Jafarzadeh, S. R. & Felson, D. Does cartilage loss cause pain in osteoarthritis and if so, how much? Ann. Rheum. Dis. 79,1105-1110 (2020).

※本稿は、『ひざ痛と股関節痛 自力でできるリセット法』(アスコム)の一部を再編集したものです。


ひざ痛と股関節痛 自力でできるリセット法』(著:歌島大輔/アスコム)

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