ふたりきりでの起業

93年7月14日、株式会社ランナーズ・ウェルネスの法人登記を完了した。社長の私と副社長の節子、ふたりだけの会社だ。社名については、さんざん考えた。

40歳を過ぎた頃からは妻・節子さんもマラソンをするように(写真:『天国ゆきのラブレター』より)

ランニングやスポーツ愛好者なら、必ず一度や二度は経験したことがあるだろうし、経験はなくても、全力で走ったあとに、競技場のフィールドなどに倒れ込むアスリートを見たことはあるだろう。

アスリートが全力を出しきったあとに得られる”やりきった感や達成感”その瞬間に味わう「至福感」が「ウェルネス」。スポーツ(ランニング)を通じて味わうウェルネスという意味から、社名をランナーズ・ウェルネス(ランナーたちに至福を提供する)としたのである。

シンボルマークはギリシャ神話からとって”ケンタウルス”にした。神話上は友人の妻を奪ってしまうような神なのだが、走る速さは疾風のごとく、だそうで”走り”にはこれでもいいかな、と思ったのだ。

まったくあてのない起業、ここからがふたりの奮闘のスタートだった。