草笛 さっきお話ししたとりの臨終シーンだって、「家族が集まって、泣いて、手を握って」っていう紋切り型ももちろんありですけど、三谷さんだからそうはならない。せっかく作るのだから、面白くないのはいや。三谷さんが書いてくださるなら、私、なんでもやりますよ。あ、でも裸はいやよ。(笑)

三谷 裸ですか。それはやめておきましょう(笑)。草笛さんとはプライベートでお食事をご一緒させていただくこともありますが、オンとオフのギャップがすごいんですよ。役に入ったとたん、別人のようになる。

草笛 あら、じゃあ普段の私はどういうふうに見えているの?

三谷 チャーミングでかわいくて、いつも明るくて、まわりを緊張させない。そして、すごい量の肉を召し上がる。

草笛 そんなに食べてる?

三谷 若い男性より食欲旺盛だな、と思うことがありますよ。焼肉に行くと、ずーっと食べ続けてるじゃないですか。

草笛 焼けるのを待ってる間に、よだれが出ちゃう。

三谷 お店の方も心得ていて、草笛さんの好きな部位をわんこそばのごとく絶え間なく持ってくるし。僕はああいう場では少ししか食べられないんです。どちらかというと、いろいろな料理を少しずつ食べたいから。

草笛 それはあなた、気が多いのよ。

<後編につづく

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