(写真提供:Photo AC)
総務省統計局が公表した「令和5年住宅・土地統計調査」によると、日本の総住宅数のうち空き家数は900万2000戸で、過去最多を記録しました。そのようななか、ホテルなどの不動産プロデュース業を展開するオラガ総研代表取締役の牧野知弘さんによると「今後首都圏に<大量相続時代>が到来し、さらなる空き家の増加が予想される」とのこと。そこで今回は、著書『新・空き家問題――2030年に向けての大変化』をもとに、空き家問題の現状と今後について牧野さんに解説をしていただきました。

東京都の空き家数は全国ダントツ

東京都は空き家率こそ全国平均の13.8%を下回る10.9%ですが、空き家数は89万6500戸と全国ダントツです。

東京都と言っても広いです。いったいどこに空き家がたくさん潜んでいるのでしょうか。

【図表1】【図表2】は、都内各自治体別の空き家数ワースト5および個人住宅空き家数ワースト5を並べたものです。

<『新・空き家問題――2030年に向けての大変化』より>

驚くべきことにどちらも世田谷区がトップにランクされています。