売却や賃貸が容易と思われるエリアも……

同様に空き家はやはり住宅地として評価が高い大田区に4万8880戸、練馬区3万9770戸などに多く、個人住宅空き家数は江戸川区、足立区、台東区などの下町エリアにも広く分布していることもわかります。

世田谷区や大田区、練馬区も古くから住宅地として開発されてきたエリアで戦前から戦後、高度成長期にかけて都心部に通うエリートサラリーマンが家を構えました。

戦前・戦中世代までの多くが鬼籍に入りつつある現在、これらのエリアで相続が多発し、相続人が放置している状況が推察されます。

エリアとしては比較的売却や賃貸が容易と思われるエリアでさえ、かなりの空き家が発生しているのです。

今後、相続はその後発達した東京都郊外エリアにもおよんできます。空き家数の加速が予想されるのは、「売買」「賃貸借」といった実需が今後、どれだけ確保できるかにかかっていると言えるでしょう。