寝ているとき、気づかないうちに誤嚥が続くと、誤嚥性肺炎を招くことも

のどの機能が衰えると、誤嚥の頻度が増えていきます。それが先々、誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)を招くことにもつながります。

誤嚥性肺炎とは、誤嚥によって起こる肺炎です。先に誤嚥の例を食事のときのせき反射で説明しましたが、この場合は、本人が誤嚥していることに気づいているので、「顕性誤嚥(けんせいごえん)」といいます。直ちに強いせき反射が起こるので、顕性誤嚥で肺炎になることはめったにありません。

問題なのは、夜間睡眠中に、唾液などを誤嚥する場合。睡眠中でも知らないうちにせき込んでいるのですが、これは唾液などの誤嚥に対する反射です。この本人が誤嚥していることに気づかない誤嚥のことを「不顕性誤嚥」といいます。

夜間はせき反射が低下するので、口の中にいる細菌を含む唾液が気道に落ちて、肺炎を起こすことがあります。これが誤嚥性肺炎で、そのほとんどがこの不顕性誤嚥が原因です。