肺炎の診断には画像が重要

あくまで私の印象ですが、70歳以上で「かぜだと思う」といって私のクリニックを受診してくる場合、コロナ禍以前は5割近くを細菌性肺炎、コロナ禍以降は6~7割を新型コロナウイルス感染症または細菌性肺炎と診断しているように思います。

肺炎かどうかを判断するには、聴診器で肺炎に特有の雑音を確認したうえで、血液検査で炎症反応を調べ、エックス線検査やCTで画像を撮るのが一般的です。画像を撮ると、炎症を起こしているところに影が写るので、肺炎であると確定できます。

また、喀痰(かくたん)検査やのどの粘膜の細胞採取で、原因になっている病原体も調べます。肺炎球菌などの細菌は、尿検査でもわかることがあります。

病原体がわかれば治療方針は決定します。例えば、原因となっている病原体が肺炎球菌なら抗菌薬(抗生物質)で治療できます。一方、画像検査で影があり、かつ病原体が特定できない場合は、肺がんや結核、間質性肺炎の可能性を検討することがあります。