厚生労働省の「令和5年(2023)人口動態統計(確定数)」によると、死因順位の第5位は肺炎、第6位は誤嚥性肺炎で、両者を合わせると全体の8.6%を占めるそうです。そのようななか、医学博士で呼吸器専門医の大谷義夫先生は「大きな傾向を見れば、肺炎で亡くなる高齢者は増えていますし、年齢が高くなるほど亡くなる人の数も増加します」と指摘しています。そこで今回は、大谷先生が肺炎・誤嚥性肺炎を防ぐためにできることをまとめた著書『「よくむせる」「せき込む」人のお助けBOOK』より一部を抜粋してご紹介します。
高齢者は高熱が出ないことも特徴
かぜと肺炎の症状を比べると、肺炎のほうが重症なのが一般的です。
下の図は、かぜと肺炎(肺胞性肺炎)の症状の違いを簡単にまとめたものです。38℃以上の高熱が続くなど、明らかに肺炎のほうが重症ですね。
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<『「よくむせる」「せき込む」人のお助けBOOK』より>
しかし、高齢者の場合は肺炎を起こしても37℃台の微熱にとどまっていることがあります。
高齢者の肺炎は高熱が出ないことがあるのです。