気づきにくい症状にも注意

なぜ高齢者は肺炎になっても高熱が出ないのでしょうか。それは免疫力が低下しているからです。

若い人は免疫力が高いので、細菌などの病原体が体内に侵入すると、防御反応が働いて、病原体をやっつけようとして高熱が出ます。これに対し、免疫力が低下している高齢者は、防御反応がそこまで働かないので微熱にとどまるのです。

『「よくむせる」「せき込む」人のお助けBOOK』(著:大谷義夫/主婦の友社)

高齢者の肺炎は高熱が出ず、かぜの症状とよく似ていることが多いので、本人も家族もかぜと勘違いして肺炎と気づかないことが珍しくありません。そして放置しているうちに、重症化することがあるので、注意が必要です。

肺炎だと気づきにくい症状もあります。

息が浅くなる、呼吸が速くなる、ぐったりする、食欲がなくなる、といった症状が3~4日続いたら、肺炎を発症しているかもしれません。

いつものかぜと違うと思ったら、できるだけ早く医療機関を受診したほうがよいでしょう。炎症が進むと治りにくくなってしまうこともあります。