理想の夫婦像

鈴木 ご両親は健在ですか?

藤本 私の父は亡くなりました。

鈴木 うちも4年前に父が亡くなって、実家には母が一人で暮らしているんですよ。それで毎日、父が好きだったご飯を作っては仏壇にあげている。フライとか。

藤本 ちゃんとしたご飯だ。

鈴木 そう。毎日、ご飯を用意しているのを見て「夫婦って何なんだろう」とよく考えるんです。亡き父に依存することで、母はメンタルを保つことができている部分も確かにある。でも、もともとは他人同士。だから、すごく不思議だなって思うんですよね。それぞれの形があって、同じ夫婦はいない。ヒロミさんのところなんか、話を聞いているだけで面白いし。

藤本 それでいてヒロミさんは「絶対に離婚しない」って常々言ってますよね。

鈴木 藤本さんにとって、理想の夫婦像はあるんですか?

藤本 私は何に関しても、理想を抱かないタイプなんです。その時々にやりたいことを一緒にやれればいいかなと。あまり理想を抱くと、ちょっと違ってきたとき「こんなはずじゃなかった」と考えるのが嫌で。鈴木さんにとっての理想像は?

藤本さん「私は何に関しても理想を抱かないタイプなんです。あまり高い理想を抱くと、ちょっと違ってきたとき、こんなはずじゃなかったと考えるのが嫌で」

鈴木 樹木希林さんと内田裕也さん夫婦ですね。

藤本 一緒に住んでない!

鈴木 ははは。(笑)もしくは、中村玉緒さんと勝新太郎さんかな。

藤本 勝さん夫妻も、お一人ずつ、しっかり独立しているイメージ。

鈴木 樹木さんと中村さん、お二方ともに、とても大変だったと思うんですよ。でも、個としてもお二人は強かったし、何かが起きても揺らがないくらいに、ご主人と強い魂で結ばれていたというか。理想的です。

藤本 私は、昔流れていた「チャーミーグリーン」のCM(老夫婦が手をつなぐCM)のような感じがいいですね。おじいちゃんとおばあちゃんになっても手をつないで、子どもが大きくなって家からいなくなっても、ふたりで楽しく過ごしたいな。