50代60代からの「トイレが近い」は20代30代とどう違う?
20代、30代の頻尿や尿もれは、多くの場合、生まれつき骨盤底(筋肉や靭帯でできたプレート)が弱い人が妊娠・出産することによって骨盤底の靭帯や筋肉がより傷み、骨盤底筋もゆるんでしまうことで起こります。
40代では、全身の筋肉量の減少にともない、骨盤底の筋肉量も減ってきて、尿道の締まりが悪くなってきます。出産で骨盤底が傷んでいる人は、より筋肉の収縮力が弱まります。
50歳前後で閉経すると、女性ホルモンの急激な減少により、皮膚や皮下組織、筋膜などのハリや弾力がなくなるため、尿道周囲のパッキンもいっそうゆるんできます。その結果、膀胱が過剰に反応する過活動膀胱の傾向がある人は、年齢とともに頻度が増し、トイレが近くなってきます。
年齢を重ねるほど、4つの因子=「体質」「出産」「筋肉量の減少」「閉経」が二重、三重に重なってくるため、50代60代ではトイレが近くなり、尿もれが起こるのは、むしろ当然ともいえます。でも、筋肉は、年齢にかかわらず鍛えることができるため、骨盤底筋トレーニングなどを続けていくことで改善できるのです。
※本稿は、『「トイレが近い」人のお助けBOOK』(主婦の友社)の一部を再編集したものです。
『「トイレが近い」人のお助けBOOK』(監修:関口由紀/主婦の友社)
50代、60代でトイレが近いのは当たり前です。でもそれを放っておかないで!
日ごろからの習慣を見直して「トイレが近い、困った」を解消しましょう。
骨盤底筋トレーニングや膀胱トレーニングのやり方もイラスト図解でわかりやすく解説。