厚生労働省が実施した「令和4年 国民生活基礎調査」で、頻尿の自覚症状がある人の割合(有訴者率)は、人口1000人あたり38.8人だったそう。年齢を重ねると、頻尿や尿もれといった尿トラブルに悩む方が増えてきますが、女性泌尿器科専門医の関口由紀先生によると「50代60代では頻尿や尿もれなどの悩みはあって当たり前」とのこと。そこで今回は、関口先生監修の書籍『「トイレが近い」人のお助けBOOK』から、一部を抜粋してご紹介します。
トイレが近い人は水分をとりすぎているケースも
「トイレが近くなってきた」
「夜中に何度も行きたくなる」
尿もれまではいかないけれど、自分は頻尿じゃないかしら? と内心心配している方も多いようです。
1日に何回トイレに行ったら頻尿なのでしょうか。
日中は1日4~8回、夜間は1回以下なら正常範囲です。また、回数がこれより多くても、困っていなければ、あまり気にする必要はありません。
頻尿の原因には、過活動膀胱のほかにもいろいろあります。
いちばん多いのが、水分のとりすぎによる「多飲多尿」です。最近は、脱水予防ということが盛んに言われるようになり、必要以上に水分補給をするためにトイレが近くなっているケースがしばしばみられます。
激しい運動をして汗をかく場合は別として、食事に含まれる水分以外に、1日2L以上の水やお茶類を飲むのは水分のとりすぎです。
夏場は2L前後、春や秋は1.5L前後、冬場は1L前後を目安に飲むようにしましょう。それ以上飲むとどうしても尿の量が多くなり、頻尿になってしまいます。