「膀胱痛症候群」で頻尿になることも

このほか、過活動膀胱に関しては、2019年の4月から、膀胱のボトックス注射という治療法が登場。筋肉の動きを止める作用があり、膀胱に20カ所くらい注射すると、膀胱の反射が起きないので、膀胱の過剰反応を抑えられ、頻尿が改善します。

過活動膀胱と腹圧性尿失禁が重なっている混合性尿失禁の場合は、早めにクリニックに相談して治療を受けるとよいでしょう。

(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)

このほか、「膀胱痛症候群」という病気で頻尿になることもあります。これは、昔は「間質性膀胱炎」といわれていた病気で、膀胱に尿がたまると不快感や痛みがあるため、早く排尿したくなり、頻尿になるのです。

過活動膀胱の場合は、もれそうでがまんできないのですが、膀胱痛症候群の人は、ためることもがまんすることもできるけれども不快で早く出したくなるのです。

過活動膀胱も膀胱痛症候群も、閉経後のGSM(皮膚や皮下組織の機能低下)や骨盤底障害(筋肉や靭帯の障害)によって悪化しますが、GSMが改善すると、どちらの症状もよくなります。

GSMは、ちつやその周辺の保湿とマッサージと骨盤底筋トレーニングで、かなり改善します。

※本稿は、『「トイレが近い」人のお助けBOOK』(主婦の友社)の一部を再編集したものです。

【関連記事】
40代後半から増える咳・くしゃみでの<尿もれ>。おなかに力を入れるともれる「腹圧性尿失禁」がなぜ起こるかというと…専門医が原因と対策を解説
「トイレに間に合わない!」がまんできない尿意の原因<過活動膀胱>。専門医「昔は<年をとればだれでも>と研究されなかったが、今では治療薬も…」
<トイレが近い><夜中に何度も>頻尿を解消するには?専門医「食事に含まれる水分以外に、1日2L以上の水やお茶を飲むのはとりすぎで…」

「トイレが近い」人のお助けBOOK』(監修:関口由紀/主婦の友社)

50代、60代でトイレが近いのは当たり前です。でもそれを放っておかないで!

日ごろからの習慣を見直して「トイレが近い、困った」を解消しましょう。

骨盤底筋トレーニングや膀胱トレーニングのやり方もイラスト図解でわかりやすく解説。