「得のドア」か「好きのドア」か
ちなみに、これまで指導してきた子どもたちをマルチタスク型、シングルタスク型という視点でわけると興味深いことがわかってきます。
マルチタスク型の子は、得だと思わないとなかなか動きません。一方シングルタスク型の子は、興味のある好きな分野から入っていかないと行動にたどりつかない傾向にありました。
たとえると、ある部屋に入るのにドアが2つあり、一つのドアは「得のドア」で、もう一つは「好きのドア」です。入ってしまえば同じ部屋ですが、マルチタスク型とシングルタスク型では、入り口が異なるということです。
これは、マルチタスク型とシングルタスク型のどちらかが優れているとか有利であるということは一切なく、単なる特徴のお話です。
私が経験してきた範囲でいえば、両方の型にそれぞれ学力が高い子もいますし、低い子もいました。ですから、学力は無関係です。それぞれに適した学習方法があり、タイプに合わない方法で学習を進めると効果が上がらないだけで優劣はありません。
問題が起こるのはここからで、この2つのタイプが組み合わせになったときです。次から詳しく見ていきます。