多数決をとることは、少数派を切り捨てること

「**に賛成の人は、手をあげてください。次に△△に賛成の人。はい。△△に賛成の人が多いので、うちのクラスの文化祭の出しものは△△に決まりました」

学校でなにかを決めるとき、当たり前のように行われているのが「多数決」です。君も、なにかしらの多数決に参加したことがあるんじゃないかな。

『考える。動く。自由になる。-15歳からの人生戦略』(著:工藤勇一/実務教育出版)

多数派になって意見が通ったこともあれば、少数派になって残念な気持ちになったこともあるでしょう。

いずれにしても、心のどこかで「この決め方はおかしい」と疑問に感じたことはありませんか?

僕は、日本全国のさまざまな先生たちを相手に「民主主義」をテーマにお話しすることがあるのですが、必ずと言っていいほど次の質問をすることにしています。

「みなさんの教室では学校でものごとを決めるとき、多数決を使いますか? そして、多数決で決めたんだから、みんなでがんばろう! なんて言っていませんか?」

なぜこんな質問をするかというと、「基本的に多数決は民主的な決め方ではない」からです。多数決は基本的にマイノリティ(少数派)を切り捨てる方法です。