国会における多数決のあり方

でもやっぱり、多数決という方法はとても危険な決定方法です。

たとえば内閣府のまとめによると、日本社会には身体障害や知的障害、精神障害など、障害がある方々が人口の7%を超えると言われています。ここに発達障害やお年寄りの障害などを加えれば、さらにたくさんの人たちがなんらかの障害を持って暮らしていることになります。

でも、これだけの数の障害のある方々がいるにもかかわらず、人口全体から見れば、やはりマイノリティ(少数派)です。

もし、国会運営で対話と合意なく、単純に数の論理で決めることが当たり前になってしまえば、こうした少数派にとって不利益な社会がつくられていくことになるのは明らかですよね。

「国会における多数決は、かぎられた時間の中で対話と議論をつくした後の最終手段でなければならない」ということです。だからこそ、国会議員の対話の質が重要ということにもなります。

 

※本稿は、『考える。動く。自由になる。-15歳からの人生戦略』(実務教育出版)の一部を再編集したものです。

【関連記事】
日曜劇場『御上先生』学校教育監修・工藤勇一先生 与えられることに慣れた子どもたちが失った「自律」。主体性を取り戻して元気になる「3つの魔法の問いかけ」とは
日曜劇場『御上先生』第6話。週刊誌に記事が出て、生徒たちは御上の兄・宏太(新原泰佑)のことを知る。御上の過去を知るある人物とは…〈ネタバレあり〉
日曜劇場『御上先生』弓弦は神崎が母の不倫を暴露したことを知らなかった!隣徳はビジコンに優勝、まさかの「半沢斬り」も…〈ネタバレあり〉

考える。動く。自由になる。-15歳からの人生戦略』(著:工藤勇一/実務教育出版)

勉強、学び、受験、学校、社会、人間関係……。先の見えない時代、そして正解のない時代を、若者はどう生きていくべきか。

校長として40年間教育現場の先頭に立ち続け、子どもたちが自由に生きていくための学校改革を行ってきたカリスマ校長・工藤勇一氏が、初めて子どもたちに向けて書いた、親子で読みたい哲学書の決定版!