熱をつくる筋肉を育てよう

日頃から細菌やウイルスと闘う力を高めておくよう心がけて、と久住先生はアドバイスします。カギになるのが運動と食事。

「体を動かすことは筋肉を維持する、気分を前向きにするなど、いいことずくめ。実は、運動習慣がある人は感染症にかかりにくい、というデータもあります。体内に病原菌が侵入すると、体は熱を出して撃退しようとしますが、主にその熱をつくるのが筋肉です。筋力維持のための体づくり、つまり運動が欠かせません」

運動の目安は、ウォーキングなど1回30分の有酸素運動を週3回、筋トレは週に合計1時間程度。

「これだけの時間の運動をこなすことはできないという方が多いのですが、まったくやらないのと、週1回でもやるのでは大違い。運動習慣がない方は、少しでも体を動かす時間を設けるようにしましょう」

筋肉をつけるためには、たんぱく質を摂ることも大切です。

「たんぱく質は、筋肉や免疫細胞のもとになります。体重50キロの人であれば、一日50グラムのたんぱく質を摂るのが目安。肉、魚、卵、豆類、乳製品など、たんぱく質を含む多様な食品を食べることを心がけてください」

最近の研究で、「タウリン」というアミノ酸に免疫の機能を調節する重要な働きがあることがわかってきたそう。

「カキやタコ、イカなどに多く含まれていますから、そうした食品も意識して摂りましょう」

次回は、そのほかの免疫力を高める生活習慣についてアドバイスします。