
イラスト:小林マキ
新型コロナやインフルエンザ、溶連菌など、次から次へと感染症が流行。感染を引き起こすウイルスや細菌を撃退するためには、免疫力を高めておきましょう(イラスト/小林マキ 取材・文・構成/葛西由恵《インパクト》 デザイン/米山和子《プッシュ》)
『自然免疫』と『適応免疫』
異物から自分自身の体を守る「免疫」。細菌やウイルスが侵入するのを防ぎ、体内に発生した異常な細胞を攻撃する機能をつかさどります。
「免疫には『自然免疫』と『適応免疫』があり、自然免疫はもともと人間に備わっている機能。体内に侵入してきた細菌やウイルスをいち早く見つけ出し、取り除くために働きます。一方の適応免疫は、病気のもととなる病原菌を一度体の中に取り込むことで、それが有害であると学び覚える免疫のこと。次にその細菌やウイルスが入ってきたときに、迅速かつ強力に病原菌を防御できます。各種のワクチンは、この適応免疫の特徴を利用しているのです」
そう解説するのは、感染症に詳しい内科医の久住英二先生です。
私たちの体は、自然免疫と適応免疫の両者がうまく働くことで多種多様な細菌やウイルスを撃退していますが、50代以降は、どちらの免疫機能も低下していくといいます。