「株主番号」を変えないテクニックは?
長期保有をするために大事なのは「株主番号」を変えないことです。そのためには、ちょっとしたテクニックや守っておきたいことがあります。
「株主番号」とは、株主の情報を管理するための番号で、売買や貸株などで「株主番号」が変わってしまっていては、長期保有とみなされません。
基本的には、売買をあまりせずに100株は残しておくようにしましょう。
また、少し上級者向けのテクニックですが、200株以上保有しているなら暴落時は“100株だけ残して”早めに売って「安く買いなおす」方法もあります。うまく売買すれば、これで損失を大きくしないばかりか、平均取得価格も下げられます。
また、「株主番号」を変えない裏ワザ的なテクニックもあります。それは、端株・単元未満株(1単元100株で単元に満たない株)でまずは1株だけ保有して、権利のタイミングごとに株主優待が取得できる株数(100株以上)を一瞬だけ保有する方法です。ただし、「長期保有」のため、半期(1年に2回)や四半期(1年に4回)のいわゆる“抜き打ちチェック”のような株主の確認(企業が行う株主確認)があるなら、そのタイミングで「株主優待」が取得できる株数を保有しておく必要もあり、失敗するリスクもあると理解しておきたいところです。
なお、3月の権利でも、3月と9月の半期ごとのチェックのほか、企業によっては四半期ごと(3月、6月、9月、12月)の確認をする企業もあります。
また、「貸株(株式を機関投資家などに貸して金利を受け取るサービス)」を利用しても「株主番号」が変わってしまうこともあるため、注意が必要です。
そして、改めての確認ですが、「株主優待」制度の突然の廃止があれば、せっかく期待していた長期保有特典も受け取れなくなることは覚えておきましょう。まさかと思っていたことも「起こりえるかもしれない」と考え、配当利回りが高めの銘柄を買っておく、分散投資を心がけるなど、ご自身なりの対策も取っておけるとよいでしょう。
〈「株主優待」とは?〉
ここで、「株主優待」について説明しておきます。私たちが株を買うと「株主」になれます。企業は株主に対し、割引券や優待券、お米やカタログギフトなどをプレゼントすることがあり、これが「株主優待」です。
〈「権利付最終日」とは?〉
権利付最終日とは、株主がその銘柄を保有することで、配当金や優待などの株主権利を得られる最終取引日のことです。
つまり、配当金や「株主優待」などを取得するためには、企業が決める「権利確定日」に、株主として株主名簿に記載されている必要があります。
例えば、2025年3月末の権利付最終日は3月27日、権利落ち日は3月28日です。そのため、3月末に優待を実施している企業の「株主優待」の権利を受けるためには、3月27日までに株を買っておかなければなりません。