「私のステージはかなりパワフルに歌い動きますので、お客様に悟られないよう、着物の帯をコルセット代わりにギュッと締めて頑張りました」(写真提供:川中さん)

 

レントゲンを撮ったところ、背骨の下から3番目の突起した骨の先端が折れていると言われました。

もともと骨が丈夫で、骨密度の数値が120%あるのが自慢だっただけにちょっとショックでしたが、幸い入院の必要はなく、頭のほうもコブができただけで問題なし。「母が守ってくれた」と、亡き母に感謝しました。

自然に骨がくっつくのを待つしかないということで、コルセットを着けて生活していたのですが、少し動くだけで結構な痛みが出ます。私のステージはかなりパワフルに歌い動きますので、お客様に悟られないよう、着物の帯をコルセット代わりにギュッと締めて頑張りました。

月に一度、病院でレントゲンを撮り経過観察しながら、家ではリハビリとして、自分でストレッチやNHKのテレビ体操をしたりして―完全に治るまで半年ほどかかったでしょうか。

骨折は健康を過信していた私への、「これからは気をつけなさいよ」という神さまからのメッセージだったのかも、と反省しきり。人はこういう小さいケガを繰り返しながら老いていくのだな、と、しみじみ感じました。