「当時、役者になりたいという気持ちは全然なく、なってみたかったのはギャル。芸能界に入る=東京に住む=SHIBUYA109に行ける=ギャルになれる、みたいな発想」

15歳、3年の約束でひとり上京して

実を言うと、私、ギャルになりたくてこの世界に入ったようなものなんです。オーディションに合格したことをきっかけに、単身上京したのは15歳のとき。

親には猛反対されましたが、幼い頃から「やると決めたら絶対にやる」子どもだったので、親が折れるまで押し切りました。ホント、ひどい娘(笑)。今、11歳の息子を持つ母親として振り返ると、「いやー、よく送り出してくれたなあ」と、親には感謝しかありません。

当時、役者になりたいという気持ちは全然なく、なってみたかったのはギャル。芸能界に入る=東京に住む=SHIBUYA109に行ける=ギャルになれる、みたいな発想。しかも、所属事務所の場所が当時は渋谷! よし! と、めっちゃ短絡的な発想で。

上京すると、高校に通いながら演技のレッスンが始まりました。あれっ? 渋谷に行きたかっただけなのに、なぜか、めちゃくちゃレッスンやらされてるんですけど――。

それでも、先生と即興で芝居をしたり、自分たちでストーリーを作ったりしていて時折褒められると、うれしくて。親とは「高校3年間で結果が出せなかったら長崎に戻る」と約束をしていたこともあり、なんとしてでも結果を残さなければ、と必死でがんばった。そんななかで、私は次第に演じること自体にのめりこんでいきました。