「本番」に向かって努力する経験をさせる
我が家はコンクールが家族の年中行事のひとつのように定着してしまっていたので、まるでお弁当を持ってピクニックに行くような気分で毎年のイベントを楽しんでいました。
いつしか教室の生徒さんたちも同じように、家族で一丸となって取り組む姿が見られるようになりました。
「本番」に向かって努力する経験は、人を大きく成長させてくれます。受験やスポーツでも同じですが、「ここぞ」という時に実力を発揮する経験は、小さい頃からさせておくと良いのではないかと思います。精神力や自己管理能力も、知らずと養われていくように感じています。
※本稿は、『「好き」が「才能」を飛躍させる 子どもの伸ばし方』(ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス)の一部を再編集したものです。
「僕が音楽と数学の世界に導かれた背景に、母の多くの創意工夫があったことを再認識しました。」
――角野隼斗さん(ピアニスト)
角野隼斗さんの母にして、コンクール入賞者を延べ100名以上輩出したピアノ指導者である著者による、「原石を磨く」子育て論。
「好き」が「才能」を飛躍させる 子どもの伸ばし方
作者:角野美智子
出版社:ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス
発売日:2020/11/28
出典=『「好き」が「才能」を飛躍させる 子どもの伸ばし方』(著:角野美智子/ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス)
角野美智子
ピアノ指導者
桐朋学園大学ピアノ科卒業後、米国ニューイングランド音楽大学大学院に留学。これまで、主宰する音楽教室よりショパン国際コンクールin Asia、ピティナ・ピアノコンペティションなど各種コンクールで延べ100人以上の受賞者を輩出。また、東京芸大・芸高をはじめ、音大・音高受験指導でも高い実績を上げる。ピティナ指導者賞連続20回受賞。また、2004年、2005年、2010年、2011年、2013年、2014年には特別指導者賞も併せて受賞。導入期から上級までバランス良く育て上げる指導法で高い評価を受ける。2018年には、自身の子育て経験を生かし、リトミック教室「プチアンジュ」を開講。0歳児から音楽・知性教育を通じて感性を育む育児法を導入し、ピアノレッスンに大切な下地作りにも力を入れている。指導法や子育てにかんする講演「感性豊かな真に音楽好きな生徒を育てるには」「原石を磨く指導法」を全国各地で開催。ピティナ課題曲セミナー、公開レッスンの講師も多く務める。ピティナ正会員、ステップ派遣委員、全国大会審査員、ショパン国際ピアノコンクールin Asia組織委員および全国大会・アジア大会審査員をはじめ、多数のコンクール審査員を務める。共著に『生徒を伸ばす ピアノ教室運営大研究』(ヤマハ)。