ピアニストであり、「Cateen かてぃん」としてYouTubeでも活躍する角野隼斗さんのドキュメンタリー映画『角野隼斗ドキュメンタリーフィルム 不確かな軌跡』が、2025年2月28日に公開されました。そんな隼斗さんの母・美智子さんは、コンクール入賞者を100名以上輩出したピアノ指導者です。そこで今回は、美智子さんの著書『「好き」が「才能」を飛躍させる 子どもの伸ばし方』から、美智子さん流・子育てメソッドを一部ご紹介します。
練習の中に「好きなこと」を取り入れる
長女の未来は隼斗とはまったく対照的でした。未来は幼い頃から物語、特にファンタジーの世界が大好き。
小さい頃は毎週1、2回子どもたちと図書館へ行って貸し出し数の上限いっぱいに本を借りていたのですが、未来は隼斗が一切興味を示さない、物語のある本をよく借りていました。
お誕生日やクリスマスのプレゼントも、何がいい?と聞くといつも返ってくる答えは「本」。一人で本が読めるようになる年頃には、エンデ『モモ』、ルイス『ナルニア国物語』、柏葉幸子『霧のむこうのふしぎな町』などを夢中になって読んでいたのを覚えています。
朝、布団を干そうとしたら枕の下から本が出てくる……ということもしょっちゅうでした。私自身、子どもの頃は成績表に「文学少女」と書かれるくらい本が好きだったので、娘は私に似たのかもしれません。