(写真提供:Photo AC)
ピアニストであり、「Cateen かてぃん」としてYouTubeでも活躍する角野隼斗さんのドキュメンタリー映画『角野隼斗ドキュメンタリーフィルム 不確かな軌跡』が、2025年2月28日に公開されました。そんな隼斗さんの母・美智子さんは、コンクール入賞者を100名以上輩出したピアノ指導者です。そこで今回は、美智子さんの著書『「好き」が「才能」を飛躍させる 子どもの伸ばし方』から、美智子さん流・子育てメソッドを一部ご紹介します。

結果が出せなかった時のケア

がんばったことが結果となって表れると、当然ながら子どもにとっても大きな自信につながります。一度その達成感を味わうと、主体性が高まり、次の目標設定に向かって取り組む時の姿勢がガラッと変わります。

そうして「目標に向かって主体的に取り組む→結果に表れて達成感を味わう」という好循環ができあがれば、親はだんだん口を出す必要はなくなっていきます。

しかし、なかなかそう簡単にはいかないことの方が多いですよね。

がんばったのに結果がともなわない時というのは、本人が一番つらいはずです。そんな時は、その子にとっての「目標」が何なのかを説明してあげるようにしています。こういう課題を克服するために、コンクールに参加します、だから賞を取るのが目的なのではなくて、課題を少しでも克服することができたら、それは目標達成なんですよ、と。

実際、コンクールで賞を取ることは「目的」ではありません。結果がどうであれ、コンクールを受ける前と後で、生徒の演奏がどう良くなったのか、どう成長したのかが重要です。これは、勉強でも同じことですね。ですから、結果にかかわらず、伸びている部分は大いに褒めてあげて下さい。