必要な栄養の効率的な補い方
高尾 食事に関して言えば、閉経後の女性はたんぱく質、ビタミンD、エクオールの意識的な摂取が必須です。
榊原 エクオールって?
高尾 納豆や豆腐など大豆イソフラボンが含まれる食品を食べたときに、腸内でつくられる成分です。これが女性ホルモンと似た働きをして、閉経後の女性の体を助けてくれます。
榊原 それは心強いですね。
高尾 ただ、大豆を摂れば全員が腸内でエクオールをつくれるわけではなく、体内でつくれない体質の方が一定数います。簡単な検査で調べられるのですが、私もつくれない体質なので、エクオールのサプリメントを飲んでいるんです。
榊原 サプリメントってとにかく種類が多いですよね。自分では専門的なことはわからないので、人に勧められると、ついあれもこれもと摂りたくなっちゃう。(笑)
高尾 腸内でエクオールをつくれる体質なら、カルシウムを骨に吸収させる働きを持つビタミンDだけ補充すれば大丈夫。ビタミンDは太陽の光が当たることによって皮膚からもつくられるのですが、冬は肌を露出しませんし、夏は日焼け止めを塗るでしょう。なので、サプリメントで摂れば確実です。食品だと、鮭、鰻、干し椎茸、キクラゲ、舞茸、卵黄などに多く含まれていますね。
榊原 私、たんぱく質は朝に摂るようにしていて。あるテレビ番組に出演したときに、それがいいと聞いたんです。朝食の前に、プロテインと青汁も飲んでいます。
高尾 私も以前はベジタリアンでしたが、最近はお肉も食べるようになりました。郁恵さんがおっしゃるように、食べるタイミングを意識することも大切ですね。筋肉量をキープするという意味では、夜にたんぱく質を摂ってもいい。でも、せっかく摂るならやはり朝がベストです。
榊原 なぜ、朝がいいんでしたっけ?
高尾 朝にたんぱく質を摂ると、それが材料となって、昼間には幸せを感じさせるセロトニンが、そして夜には睡眠を誘発するメラトニンが脳内で生成されるから。つまり日中はイキイキと楽しく過ごせて、16時間後には自然と眠くなるという理想のサイクルをつくってくれるのです。
朝はコーヒーとトーストだけという人は、トーストにチーズをのせたり、コーヒーに牛乳を入れたりするだけでも効果が期待できますよ。