「ヒマラヤ鍋」(写真は4人前)。単品一人前2490円、コース3900円(いずれも注文は2人前から)。野菜はほうれん草やキャベツ、ニラに豆苗など盛りだくさん。コースにすると野菜、スープ、薬味がお代わり自由

 

スパイシーで滋味深い“ヒマラヤ鍋”

“おせちもいいけどカレーもね”とは、懐かしい昭和時代のCMの謳い文句だが、そんな気分の時におすすめしたいのが、ご覧の“ヒマラヤ鍋”。恵比寿の老舗ネパール料理店「クンビラ」の名物料理だ。

「もともとは骨つきのチキンをヒマラヤの岩塩とウコンで煮込むネパールのスープで、子供の頃、母がよく作ってくれた家庭料理です」とは、ゼネラルマネージャーの出口美保さん。聞けば、出口さんのお母様はヒマラヤ山脈の麓に住むシェルパ族の出身。現地では薬膳的な一面もあるそうで、このおふくろの味を日本人の好きな鍋に仕立てたというわけだ。

「モモコ」(ネパールの小籠包)はコースの一品。中身は鶏と豚肉のミックス。ゴマとトマトとヨーグルトを混ぜたソースでいただく。コースには他に「豆腐とほうれん草&ハーブのムース」「大海老のマサラチリ炒め」がつく。締めの雑炊も美味。座敷スタイルやネパールの装飾品で飾られた個室もあり、新年会にもおすすめ

 

家庭の味と違うのは、入るスパイスの豊富さだろう。丸鶏のスープをベースに、独自ブレンドのガラムマサラやエベレストにしかないピプラ、ネパール特有のジャイパトリなど15種あまりのスパイスを加えた鍋は、見た目に反し、辛みはマイルド。だが、食べ進むうちじわじわと身体の内側から熱くなるようなスパイシーさで、自ずと食欲も全開に。ついもう一口と手が伸びるはずだ。

スパイスの風味に負けぬ旨みのコクは、エベレストでしか取れないというブラック岩塩のなせる技。野菜たっぷりでヘルシーなのも見逃せない。お代わり自由のコースがお得。