家族であっても、お別れのしかたはそれぞれ

それと、思い出すたびに自分を責めてしまうことがあります。そのひとつが、ゴンが死んでしまう前日の動物病院でのことです。ゴンは衰弱していて、もう長くはないだろうと先生に言われた時、夫が「あとどれくらいで……?」と聞きました。おそらく夫は、1ヵ月くらいをなんとなく覚悟していたのだと思います。でも「2週間くらいでしょう」と返ってきました。

あぁ、そんな会話を、診察台に横たわるゴンの前で行ったことが一生悔やまれます。だから、その次の日にゴンが「もういいかな」と旅立ってしまったんじゃないか? ゴンの耳をサッとふさげば良かった!

犬だって、あの年になれば人の言葉くらい理解できる。それは私もわかっていたはずなのに。こうして、私はあの頃と現在とを行ったり来たりしていました。

私はその思いを夫に話していません。話しても、大した反応は返ってこないと思うからです。「ふうん」とか「覚えてない」とか。同じ家族であっても、たとえ同じようにペットを愛していたとしても、お別れの仕方は人それぞれなのです。

手作りの流動食を食べるゴン。口の中に腫瘍ができても食欲は衰えず、頼もしかった 写真/影山さん提供